長すぎた夏も幕を下ろし急に秋めいてきました。暑さが厳しい夏でしたが
その中を広島、銀座、大阪での個展においで頂いた方達、本当にありがとうございました。描くことを生業として既に40年以上の時が流れました。なんとかこれまで続けてこれたのはいつも温かく見て下さる皆さまのお陰と感謝しております。巴里で勉強を始めてからいつも描く対象は此の世界で見付けた
もの達。雪、雨、波、風、木漏れ日、森、星、宇宙、香りなど。
モチーフが変わっても描きたいテーマは此の世界のリズムです。宇宙空間で銀河を動かし、その中の太陽系を支配し
此の星に住む我々の身体を保ち生かしているリズムです。どんな国家や信仰より強く我々を支配しています。
今世界では民族や宗教の違いが争いの元となり現在もロシアやイスラエルで悲しい戦いが続いています。生きていくために何か信じるものが必要になり宗教が生まれましたが、おそらく神とか仏とか崇めているものは宇宙でありそのリズムだったと思います。それにいつの間にか政治的な力が加わり変形し争いの種になってしまいました。
皆が此の宇宙のリズムにグループすれば世界は変わると思います。雨の音や星の動きに同調出来れば人を怒らせたりすることも無くなり水の味も分かるようになると思います。
音楽、文学、演劇、絵画などは人に宇宙のリズムを思い出すヒントを与えていると信じています。今日もこんなことを考えながらアトリエで描いています。
これから冬に向かい季節は大きく動いていきます。どうか皆さんお元気でお気持ち爽やかにお過ごし下さい。
笠井正博