2020年7月24日

今世界は排他的な考えが広まり自国ファーストを叫ぶ音量が上がっています。
そんな中皮肉にもウイルスという異物が国も人種も宗教も越え世界に広がり
我々の生活を変えてしまいました。
生体内に侵入し自らのコピーを増やし続ける憎きウイルス。
しかし生態系全体から見ると情報の交換と包摂に役立っている存在で
生命の不可避的な一部であるため根絶や撲滅は無理だと生物学者は言っています。
我々はウイルスでさえその存在を認め受け入れ共存していかなければならないようです。

生きていると言うことは外界との情報交換や包摂から成り立っています。
この地球でさえ毎日100トン以上の宇宙塵を受け取り
絶えず銀河系生態系の影響を受けながら旅をしています。
それに乗る僕らが朝露に宇宙を見たり、星を読んだり、雨音に音楽を感じたりして
内と外の調和を図れば世界の流れは変わるかもしれません。

60を越えた僕の少しかすむ目に映る世界を今日も描いています。
ウイルスのために世界は分断され音楽会、展覧会、芝居などのイヴェントが
延期、中止になっています。今までとは違った形での発表を考えていく時かもしれません。
そんな中、東京都の企画「アートにエールを」にも参加しています。
このタイトルで検索して動画検索から笠井正博を入力して是非ご覧ください。
https://cheerforart.jp/detail/147
この状況下でどうなるかは分かりませんが従来通りの個展も下記のように準備しています。
可能であればご覧いただきたいと思います。

未知のウイルスは分断の時代をさらに加速させていますが
見方を変えれば国も人種も宗教も越えて世界を繋いでいるようにも見えます。
現代社会に何かメッセージを抱えているのかもしれません。
厳しい嵐の中ですが互いに助け合い泳いでいきましょう。

笠井正博