2015年9月24日

酷暑の夏が終わり秋分も過ぎ
前回のコメントから5カ月余りの時が過ぎてしまいました。
不精と暑さ、憤りを感じる事件の多さが筆を止めていました。
遅くなりましたがあの暑さの中を各個展会場まで御足労下さった皆さん
ありがとうございました。
木漏れ日という虚ろなモチーフで光の画面を見ていただきましたが
現在は水面の木漏れ日から水面そのものの表情を描きだしています。
水面に降る雨、水を渡る風、水の情景・・・ドビッシ―の曲名のようですが
次回はこんな画面を御見せ出来たらと考えております。

今朝の大気には金木犀の香りが漂い
日の出前、東の天空には金星が明るく輝いています。
大きく季節が動いているのを感じます。
この様な快適で幸せな日は年に何日もないでしょう。
しかしながら先の豪雨や早朝の地震、火山噴火など
此の星で暮らす危うさを実感するできごとが続きました。
我々人類もそんな中で自然の一部として生かされているのですから
争いや憎しみの感情を捨て、助け合って生きていけないものでしょうか。
ヨーロッパは経済共同体(EU)という形で国境を外し通貨統一を試みました。
その結果ギリシャ危機をはじめ様々な問題が発生し
現在シリアからヨーロッパへの難民移動に直面しています。
それに対してドイツのメルケル首相は先の大戦の責任からか
難民受け入れを早々と決めました。
各国の思惑はそれぞれにあるでしょうが
彼女の人道主義的決断には大きな拍手を送りたいと思います。
同い年の我が国総理は様々な疑問と問題を抱えた日米安保法案を
独裁的なやり方で成立させました。
憲法解釈には各々の考えがあると思いますが
民主国家で立憲政治の行われているはずのこの国会で
この強引な強行採決には強い憤りを感じます。

この惑星に命の種が蒔かれてから現在まで
我々は試されているように思います。
生命体はどの様な結末を迎えるのでしょうか?
秋の快い大気の中で幸せを感じるように
生きている事を単純に喜びながら
与えられた時を心静かに過ごしていけば良いのだと思いますが
人間のエゴイズムは簡単には消えないようです。
人類が滅亡し此の星が壊れるまで愚かな行いは続くのでしょうか?
僕の仕事には社会的影響力は殆どありませんが
毎日の暮らしの中で気が付いた快い自然のリズムを描くことで
見てくださる方の心を少しでも解せたらと思っています。

笠井正博