今秋、月に地球の影が映ったりオリオン座付近に流れ星が降ったり
この惑星が太陽の周りを自転しながら公転している事実を確認できる天体ショーがありました。
そして今遥かかなたオールト雲から長旅を続けたサイディング・スプリング彗星が近日点に近づきつつあります。
この様なマクロ世界から見れば我々人間は何故この様な形でここに生かされているのか不思議に思えますがミクロ世界に目を向ければウィルスがこれからの人間の運命を握っているようにも見えます。
古の彗星が降らせた命の種が
貝の中の塵が真珠になるように地球の中で人間に成長したと考えられています。
ウィルスもまた同じように天から舞い降りてきたのでしょうか?
全ては天から来たのだとするとやはり宇宙の何処かにモノリスのような何かが存在するのかもしれません。
秋の夜空を眺めながら色々と想像が膨らみます。
そんな夜空を飛んで2年ぶりに巴里へ行ってきました。
古くからの友人と会ったり、ギャラリーや美術館を覗いたり
ジビエや牡蠣を楽しんだり・・・ゆっくりと小さな休暇を楽しみました。
その中でヴェルサイユのリー・ウ―ファンの展覧会が印象に残りました。
ルノートルの作ったジュンメトリックな庭の中に点々と置かれたリーさんの作品は
東洋の自然に対する考え方を綺麗に唄っていて嬉しくなりました。
友人のアトリエも久しぶりに訪ね何十年も淡々と自分の世界を作り上げている姿を見て
アーティストの生き方、人生の進め方を改めて考えてしまいました。
レストランではジビエのはしりプロンブやジロール、セップなど秋の味を楽しみ
仏蘭西の人生の楽しみ方の深さを再認識しました。
今回の旅で人生を楽しむ事が我々人間に与えられた使命なのではないかとふと思いました。
それは単に遊ぶことではなく自分に与えられた仕事を愛し
その事で社会に参加し皆と共に生きる喜びを感じるという事です。
遠い宇宙の果てのモノリスがそんな指令を出しているかどうか分かりませんが
限りある生の中で争ったり傷つけ合ったりせずに
出来るだけ笑顔でいたいものだなと思う秋の宵です。
笠井正博