夏が秋に滑り込む。
相変わらずこの惑星では様々な事象が繰り返され未来が不安になりますが 大きな宇宙の流れは何時もと変わりなく流れ 庭先では秋桜が揺れています。
コスモス、NASAの発表を信じるなら35年前に打ち上げられた宇宙探査機 ボイジャー1号が今月12日太陽系を完全に離れたそうです。 スタートレックやアーサー・C・クラークで育った僕らには様々な想像が頭に浮かびます。 船内にはカーター元米大統領のスピーチやグレン・グールドの平均律クラビーア前奏曲が メッセージとして納められているそうです。バッハの繰り返すリズムは大きな宇宙と繋がりがあるので異星の友も何かを感じてくれるかもしれません。
繰り返すものはいつも美しい、そういったのはディキンスンだったでしょうか?
水辺に寄せる波、麦畑を渡る風、路面に踊る雨粒・・・、そして私たちの営み。
芸術もけっして爆発や狂気から生まれるのではありません。
森羅万象にいつも敏感であればこの世界は詩情に満ちています。
勿論辛い事も悲しい事も沢山あるのは知っています。
だからこそ道端に見つけた小さな喜びを他者に伝えたくなるのです。
こんなことを考えながら今日もアトリエで筆を持っています。
夏の展覧会の疲れを感じながら少し放心状態で・・・。
文末になってしまいましたが今夏も厳しい暑さの中を各地の展覧会場へおいで下さった 皆様本当にありがとうございました。 これからもこの世界から感じられる様々な事を僕の言葉で詩って行きたいと思います。
最後にエミリー・ディキンスンの一片を
太陽には ひたすら従える
沈むたびに 太陽は
わたしたちを 宇宙のはてに残していく
それでももっぱら 従える
土の扉はおろか
塵界には 従えない
もし従えば 羽目板が逆転し
もはや何も見られまい
笠井正博