2008年1月30日

古代マヤ暦によると2012年にこの世は終わりになると記されているらしい。
昨今の世の中を見ていると笑って済まされないような気もする。
様々な偽装問題、アメリカ経済の崩れからの世界恐慌、日々繰り返される殺人事件、地球温暖化、新型ウイルス、各地の紛争などなど不安材料は考えるときりがない。
とは言うものの東京の夜空に冬の星座が美しく見える。大気の乾燥のせいだろうか?
そんな夜空を眺めながら夜道を歩いていると微かに甘酸っぱい香りを感じる。
梅の花が開いているのだ。微熱を帯びた地球でも季節はちゃんと動いている。
櫻ほどの派手さはないものの曲がりくねった枝に咲く梅の花はかわいい。
この辺りは昔から梅の木が多く池上梅園や梅屋敷なども遠くない。
夜の道を歩いていると昼間よりも香りを強く感じるのは視覚情報が少なくなる分嗅覚が敏感になるからだろう。こんな香りの感覚も絵にしてみたい。
香りを描き始めて3年が過ぎた。始めは御香のイメージが強く煙のようなフォルムが多かったが次第にイメージそのものを描けるようになってきた。
香りから受ける印象に色を感じることは比較的簡単なのだが形はなかなか難しい。
それでももう20種類以上の香りを絵にしてきた。なかなか簡単ではないがゆっくりと進めている。自分が日々経験した事を素直に僕の歌にして唄えていけたら良いと思っている。
まだ少し先だが9月3日から10日まで渋谷文化村ギャラリーでまとめて発表する予定になっている。お時間がある方は僕の絵から発する様々な香りを感じに来てほしい。

笠井正博